バナナ歌い踊る

アイドル・音楽などについての滑り芸を書きます。

志村の件

死んでしばらく経つけど、事実に単純に慣れただけで特に乗り越えたりはしていないんだなということを実感する。別に消化したいと思っているわけではないし乗り越える必要もないと思うけど、感情としては今なおまるで進歩がないことには驚いたりもする。

 
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15,6歳の自分にとっては、ダメなところをさらけ出しているその人の人間性がホント衝撃で、会ったこともないのに知らず知らずのうちに精神的な信頼を寄せていた。最もアホかつ、最も自分のダメさを俯瞰できていない時期だったせいか、彼の一挙一動が革新的に心に響いたんだと今になって思う。
 
彼が死んだことに、当時自分でもビックリするくらい悲嘆に暮れたのは、たぶん2つくらい理由がある。
 
1つ目はかなり盤石な家庭環境で育ったおかげで身の回りの人が不慮の死を遂げることがなかったので単純にその事象に対してのショックが大きかったこと。2つ目は上に書いたように彼がそのメンタリティをさらけ出す曲や歌詞やライブに勝手ながら心を寄せるほど好きだったこと。
 
もういい加減志村が死んだことを混ぜ返して悲しむのもなんだかんだ美化して語るのも飽きてきたので、今年はちょっと冷静になって考えてみた。とはいえこのグルグル回って答えらしきものが出ないのは変わらない。
 
人の死はほんと相対的なものなんで、それに対する思いっていうのは死んだ人が記憶にあるすべての人の数だけある。絶対的に定義できるもんでもなく事実はそこにあるだけだけどそれに対して向き合い方は死ぬほどある。個々人で噛み砕いて反芻して振り返って思い出してっていうのを決して美化せず他人を気にせず、志村とその音楽が好きだった人はみんなやればいいんじゃないかな〜〜〜という思いに至る。
 
どうせ個人的な思いなんて外から見たらキモいだけだし内に潜って志村についての悲喜こもごもを掘り起こしてウザいくらいの濃さで語ってなんぼですよ。
 
フジファブリックで一番好きな曲は陽炎。あの夏の切り取り方はほんと志村にしかできないと思って。情景の描き方がひたすら好きだな〜〜と毎年懲りずに思う。
 
陽炎

陽炎

 

 

メリークリスマスでお疲れさん!