バナナ歌い踊る

アイドル・音楽などについての滑り芸を書きます。

薄ネズミ色の邦楽ロック

突然閃いたんだけど、

 

最近の邦楽バンドが自分にとっていまいちしっくり来ないのは「俺たちのロックは世界一クールだし自分たちは最高のバンドなんだ」って冗談でなく心から信じているその無垢さを超然と受け入れることができないからだな…

コミュ障なので行き着くところが音楽だったとか、人生の成り行き上気づいたら音楽しか選択肢が無くなっていたとか、そういう裏ぶれた事情があるといきなり信用度が増すんですね。

ただの物語として邦楽誌に書かれるバンドマン個人の暗いバイオグラフィとかを信奉している訳ではないけど、いずれにせよ世の中の空気を普通に吸ってるバンドじゃないと肌に合わないわけで、汚いところダメなところが音楽に染み出ていることが自分にとっての邦楽ロックの好きなところ。別に前衛的である必要はないし、BPMが速くて縦乗りできることはオプショナルだし、歌謡曲でもダサくてもなんでもいいんです。日本で生まれたバンドなわけだから日本に生きていることの実感と湿度を歌ってほしいよねと思うの。蒸し暑くそしていなたくてナンボですわ。

どうして現代の日本に生活しておきながら天真爛漫に自分たちが正しいandロックis最高みたいなことを言えようか。自身の深層心理からそう思っているバンドマンが全てではないにしろそういうキャラ付けを全面に押し出されても閉口してしまうんだな…

 

最も好きなバンドのGRAPEVINEの曲にこういうフレーズがあるんですが

死ぬ程じゃない日々の 口程にない未来 

人と関わるのが煩わしい訳

これが日常なんですワ。毎日生きててこういう薄ネズミ色がほとんどなんですよ結局のところ。凡庸な人間の我々には、帰るべきあの場所も無いしオシャレドラマティックな今風男女ラブストーリーも爆誕しないわけです。音楽の力を信じたところで残業は終わらないしスーパーの野菜は高いままなんですワ。

 

 

人生大概なしくずし。

GRAPEVINEビルボードライブ楽しみだな!